TOP > 新着情報

お知らせ(新着情報)

2011年05月25日

東日本大震災にかかる日本公衆衛生学会の行動方針について

東日本大震災にかかる日本公衆衛生学会の行動方針について

 このたびの東日本大震災に被災された皆様方には心よりお見舞い申し上げますとともに、復興に向けて多大の努力を続けておられる皆様方に深く敬意を表します。

 日本公衆衛生学会では、この未曾有の緊急事態に際し、直ちに被災者へのお見舞いと、全国からの支援者、そして多くの会員が含まれる保健所・自治体・教育研究機関等の公衆衛生関係者に対して理事長メッセージを発信するとともに、東日本大震災公衆衛生対策検討会議を組織し、緊急時対応の作業を開始しました。災害時危機管理について俯瞰しつつ、①被災者の生活・健康や被災地の地域保健医療問題に関する学会検討事項の発信、②原子力発電所被災事故に伴う放射線問題の検討、③学会HP活用による情報発信・情報収集と双方向性の情報環境の整備、を当面の課題として活動を開始し、4月4日には被災者の生活・健康等の地域保健医療問題に関するレポートを学会HPと日本公衆衛生雑誌(学会機関誌)に掲載し、広く情報発信を行いました。4月22日の定例理事会において東日本大震災対策統括本部を立ち上げ、今回の未曾有の大震災に対して中・長期的に腰を据えて取り組んでいく決意のもとに、以下の「東日本大震災にかかる日本公衆衛生学会の行動方針」を定めました。




「東日本大震災にかかる日本公衆衛生学会の行動方針」

 日本公衆衛生学会としては、復興にいたるまでのあらゆる過程で生じる公衆衛生上の課題に対して継続的な援助をすることを学会方針として定め、ここに、現時点における日本公衆衛生学会の行動計画を示します。

1.東日本大震災基金の設立
被災地およびその他関連の震災復興支援等の公衆衛生活動に助成すること等のため、500万円を原資として東日本大震災基金を設立し、今後3年間をめどに必要な活動を行います。

2.東日本大震災公衆衛生活動プロジェクトの募集
被災地およびその他関連の震災復興支援等の公衆衛生活動に助成するため、以下の2種類の公募を実施します*。ただし、申請代表者は日本公衆衛生学会員に限ります。
1) 日本公衆衛生学会と被災地の公衆衛生学会等の関係者・団体との共同プロジェクト
(総額200万円)
1件程度 3年間 1件200万円程度
2) 全国規模(被災地も含む)で募集する被災地での震災対策活動プロジェクト
(総額200万円)
5~10件程度 1~3年間 1件10~50万円
いずれも、被災地での活動に関わる事故等を対象とする保険を予算計上することを原則とします。
申請プロジェクトに対して、教育・生涯学習委員会において審査・選定を行い、震災対策統括会議での承認を得て決定します。

*:募集要綱等の詳細は、HPの会員ページに掲載します。

3.義援金受付への協力
日本公衆衛生協会から同協会の義援金受付についての協力依頼があり、本学会機関誌および本学HPに設けた東日本大震災のバナーに同協会の義援金受付について記載するように致しました。

4.人材派遣
公衆衛生分野における被災地援助や復興活動等のために必要な人材派遣の要請や問い合わせに対しては、専門職委員会がマッチングに当たり、日本公衆衛生学会認定専門家として公表されている専門家の中から適切な候補者を選定し、本人の意志に基づき、候補者として紹介致します。
また、紹介を行った事例について、その内容に応じたサポート、ならびにフォローアップを行います。
なお、日本公衆衛生学会は任意団体であることから、事故等の発生を考慮し、紹介後の派遣依頼等の手続にあたっては、要請者から直接、当該専門家の所属先へ派遣依頼して頂く事を原則と致します。

5.被災地の地域保健医療福祉問題、および今後の課題についての調査・報告・提言
すでに4月4日付けの学会HPで、緊急時の「被災現場および避難生活において求められる支援」に関して、感染症、低栄養、上下水道、仮設住宅入居に伴う孤独死・メンタルヘルス・心のケアなどについては記載致しました。さらに今後の課題として、被災者の雇用・労働、暮らし、福祉などに対応できる相談窓口の開設の必要性や、障害を持つ人や高齢者など、個々の特性やニーズに応じた対応の必要性、保健医療システムの再構築や公衆衛生のインフラ整備など、健康・安全などの視点が入った復興計画の重要性に対してのコメント・メッセ-ジを発信するべく準備中です。
地域保健医療福祉委員会の感染症対策専門委員会では、被災地での現地調査も行っており、これらの委員会活動の報告は、順次、学会HP の会員ページ等に掲載されます。

6.被災地の公衆衛生看護活動・保健師活動の支援
 すでに報道されているところですが、全国の都道府県、保健所、市町村役場等から、多くの保健師が組織的・計画的に動員され、被災地での支援活動・公衆衛生看護活動に従事しています。これらの人々の相当数は本学会員でもあります。皆様のご苦労をねぎらうとともに、あらためて敬意を表する次第です。
 本学会の公衆衛生看護のあり方に関する委員会では、これらの被災地での活動内容や健康・生活実態などを記録として時系列にまとめ、報告を行うとともに、今後の災害時での公衆衛生看護のあり方に役立てることを検討しています。また、現地で活動する保健師に対して、情報提供や相談・指導等の後方支援を行うようにしています。さらに、日本看護協会や全国保健師長会との情報交換と連携を図ることや、全国保健師教育機関協議会と協力して、岩手県内の一町において全数調査・保健台帳づくりへの協力活動を展開中です。 

7.研修・コンサルテーション・広報活動
前述の東日本大震災公衆衛生活動プロジェクト(公募)の審査等は教育・生涯学習委員会が行いますが、同委員会ではさらに、被災地での復興を視野に入れた各種の公衆衛生計画や地域保健医療(福祉)計画の策定等に際しての研修やコンサルテーションに応じます。また、従来から行ってきました、全国各地方の公衆衛生関連学会の研修会・研究会・フォーラム等の促進を図る(助成等)とともに、HPでの広報活動を強化致します。

8.公衆衛生モニタリング・レポート活動
本学会の公衆衛生モニタリング・レポート委員会は、人々の健康と社会・環境・生活中に存在する「リスク」についてのモニタリング-アセスメント-レポートの一連の活動を行って来ました。健康危機管理に関しても重点事項として検討を行っておりましたので、今回の大震災に際しては、学会の初動時の危機管理体制の主要メンバーとして緊急時対応を担って来ました。未曾有の大地震と引き続く大津波、原発事故の三重苦は、被災地はもちろんですが国としても未経験の危機管理事項であり、また今後の被災地の公衆衛生の再構築が重要事項となります。公衆衛生モニタリング・レポート委員会のこれまでの学術的な蓄積を活用しつつ、各委員会が連携して、必要な震災対応の情報を発信するように努力していきます。

9.学会ホームページによるメッセージ発信システムの整備
 会員の活動に資する情報発信を促進するため、
1)会員ページを通じた委員会意見の迅速な発信、
2)メールマガジンによる更新情報連絡、
3)発信情報に対する会員からの問い合わせの受付、
を実施し、双方向の議論を行える環境を整備します。
また、東日本大震災関連情報は、一般ページの中に専用ページを設け時系列に集約します。

10.日本公衆衛生学会は、わが国の公衆衛生を代表する学術団体として、日本学術会議、日本医学会、その他、関連学協会と連携・協力し、被災地の復興支援と公衆衛生の向上のために尽力致します。


平成23年5月25日
日本公衆衛生学会 
理事長 實 成 文 彦 



▲ ページトップへ


日本公衆衛生学会の事務局所在地は〒160-0022 東京都新宿区新宿1-29-8公衛ビル、電話番号は03-3352-4338、FAXは03-3352-4605
All Rights Reserved Copyright(C) JAPANESE SOCIETY OF PUBLIC HEALTH