TOP > 学会概要 > 理事長挨拶

理事長挨拶-日本公衆衛生学会へようこそ-

理事長 磯 博康

平成29年10月に日本公衆衛生学会第16期理事長に選任され、ここにご挨拶をさせていただきます。
 本学会は昭和26年に発足し67年目を迎え、現在9000人を超える会員を擁する社会医学分野での最大規模の学会です。本学会のミッションは、わが国の公衆衛生の向上、増進に寄与する科学的エビデンスの創出とそれに基づく公衆衛生活動の実践・評価と政策への提言、そして、それらを通じた人材育成です。
 わが国は、世界一の少子超高齢化社会を反映して、様々な健康問題やそれらに対処するための保健・医療・福祉の制度の諸課題に対峙しています。生活習慣病、大規模災害等による短期、中長期的な健康問題、たばこによる健康障害、国際的な感染症の流行、高齢者や児童の虐待問題、自殺等の精神保健問題、社会のサポート機能の低下など、多岐にわたります。さらに、わが国の公衆衛生問題は、今後高齢化が急速に進むこととなる東アジア諸国等での問題を先取りしているものが多く、その対応には諸外国から大きな注目がなされていることも強く自覚する必要があります。こうした状況下で、日本公衆衛生学会は学術的にも社会的にもこれまで以上に重要な役割を担うことが求められています。

 ここに、理事長としての抱負を述べさせていただきます。
抱負の柱は、1)公衆衛生人材育成の強化と会員の拡大、2)関連学会との連携・協働の強化、3)政策提言、4)国際化への対応、5)法人化後の学会運営の安定化、6)公衆衛生研究の充実、です。

1)公衆衛生人材育成の強化と会員の拡大
 少子超高齢化が進むわが国にとって、子供から高齢者までのすべての世代における健康増進、疾病や健康障害の予防、医療、福祉の改革と充実が求められている中、公衆衛生に係る人材の育成と確保は最重要課題です。平成21年に本学会で開始した公衆衛生専門家制度の充実、平成29年度から開始された社会医学系専門医制度への参画と牽引、保健師、管理栄養士、薬剤師等の多職種の研修・認定制度の支援を精力的に進めます。
 近年、行政機関で働く保健福祉関係従事者が学会総会への参加が困難となっている状況を鑑み、学会総会の週末等での研修、関連学会との連携による研修、メルマガ、e-ラーニングの充実を進めます。これらの活動により、さらなる会員数増加を目指します。

2)関連学会との連携・協働の強化
 本学会の大きな特徴は、医師、歯科医師、薬剤師、獣医師、保健師・助産師・看護師、管理栄養士、検査技師、理学療法士、作業療法士、養護教諭、疫学・保健統計・健康教育系・人文社会科学系等の研究者、行政の実務家等、公衆衛生に関わる多職種の集合体であるところにあります。したがって、各職種の会員はそれぞれの関連学会・団体に所属していることが多く、そのため、学会総会等での共催セミナーや研修会を通じて、それらの関連学会・団体との連携・協働を深めて行くことが、本学会のスタンスの強化と共に、関連学会・団体とともに、意義のある政策提言につながるものと考えます。

3)政策提言
 公衆衛生政策に関して、根拠のある施策の遂行や法律・制度の改訂の際や、将来を見通した新たな政策に関して、科学的エビデンスに基づいた提言をタイムリーに行うことは、本学会の重要な使命です。今後の喫緊の課題として、東京オリンピックに向けた禁煙の推進、新興・再興感染症への対応、東日本大震災復興に関わる公衆衛生活動の継続と長期的な健康問題への対応、少子超高齢化にまつわる様々な健康問題への対応等が挙げられます。公衆衛生モニタリング委員会や公衆衛生専門家を初めとする会員の皆様の協力のもと、関連学会・団体等と連携し、政府や各方面に対して提言を行ってゆく所存です。

4)国際化への対応
 世界のトップスラスの長寿国である日本、それを支えてきた医療保険制度、保健所・地域保健制度、健診制度、各種の保健医療福祉政策は世界から注目されています。特に今後高齢化が急速に進み日本を追従する東アジア諸国においては、日本の公衆衛生政策、活動の実際に関する情報を必要としています。本学会はこのような要望に対して積極的に対応してゆくことが強く求められています。海外からの視察・研修の受け入れに関しては、厚生労働省・都道府県の所轄部門、保健医療科学院、保健所、地方衛生研究所等が対応されていますが、本学会としても、関係団体と連携し、あるいは独自に学会活動を世界に発信する体制を構築する時期に来ています。HPの英文化、日本公衆衛生雑誌の英文紹介、重要な提言の英文化、学会総会の海外からの参加者のトラベルグラント、英語のセッション、学部生や若手の会員活動の支援を進めてゆきます。それにより、海外への情報の発信に加えて、会員の方々が、海外からの来訪者に研修や情報提供に役立つものとします。

5)法人化後の学会運営の安定化
 本学会は、平成29年4月に一般社団法人となりました。法人化以降の業務の見直しと定着のため、法人化定着委員会を設置するとともに、業務執行理事を任命し、学会事務局と協働で法人化以降の事務作業の効率化・充実と、学会活動の充実に尽力して参ります。

6)公衆衛生研究の発展
 公衆衛生研究は、公衆衛生の向上・増進に関する様々な分野を包含し、予防の範疇として一次予防、二次予防、三次予防、研究の焦点としては、要因研究、介入研究、保健医療福祉に亘るヘルスサービス研究、経済評価研究、政策研究等、多岐に亘ります。そのため、公衆衛生研究の発展はそれぞれの分野での発展に依存しますが、その基礎となる疫学・医学統計学の知識・技術のレベルアップや、各分野の研究トピックに関する情報提供は、公衆衛生全体の学問的発展に寄与するものと考えます。そのため、本学会において、他の関連学会、学術会議、衛生公衆衛生学教育協議会、全国公衆衛生関連学協会連絡協議会、社会医学系専門医協会、都道府県衛生主管部局等とも連携しながら、学会会員、公衆衛生専門家、社会医学系専門医等の研修、e-ラーニング、メルマガの充実を進めます。また、若手や中堅の研究者・実務家のインセンテイブの向上のため、学会総会での優秀演題賞、学会誌の優秀論文賞、学会奨励賞、学会誌論文の査読賞等の顕彰制度のさらなる充実を進めます。

以上の活動を進めるため、従来の14委員会に加えて、新たに10の委員会を立ち上げました。法人化後の日本公衆衛生学会の益々の発展のため、会員の皆様、学会活動へのご参加、ご支援、ご助言を、何卒よろしくお願い申し上げます。

平成29年11月吉日

日本公衆衛生学理事長
大阪大学大学院医学系研究科社会医学講座公衆衛生学
磯 博康


  • 学会概要
  • 理事長挨拶
  • 学会沿革
  • 学会規定
  • 役員
  • 委員会
  • 学会概要に戻る
▲ ページトップへ

 

日本公衆衛生学会の事務局所在地は〒160-0022 東京都新宿区新宿1-29-8公衛ビル、電話番号は03-3352-4338、FAXは03-3352-4605
All Rights Reserved Copyright(C) JAPANESE SOCIETY OF PUBLIC HEALTH